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「妙高」詳細写真
MYOKO detail images

　「妙高」型のもっとも顕著な特徴の１つである、シェイプアップされた艦首と甲板のシアーを見てみましょう。特に甲板の前部から中部を経て後部に至る流れるようなシアーラインは、もはや芸術の域にあると言っても過言ではないと思います。

　今回は艦首、前マスト、後マスト、艦尾の間に張り線をしていません（マストヤードの強度の関係で、金属線で張り線をするとヤードが取れてしまう可能性がありますので）が、それぞれのマストには伸ばしランナーで旗索を張り線をしてみました。いつもの作例と違い、これはこれですっきりして良いのではないかと勝手に納得しています(^^;)。

　スッキリとスマートな艦後部です。さすがにこの空中線支柱に、金属線のような剛性の大きい材料で張り線をするのは、ちょっとムリですね。今回は支柱の強度に自信がないので、金属線での張り線は見送りです。伸ばしランナーで張り線という手もありますが、経年変化で切れやすくなるのが難点ですね。そのため旗索以外は採用を見送りました。張り線をしなかったので、砲塔を旋回させることが可能となりました。

　前マストから後マストにかけての上部構造の周辺は、ディテールアップのし甲斐のあるところでしょう。テンコ盛りでディテールアップしてやりましょう(^^)。なお探照燈台と機銃射撃装置やぐらをエッチングパーツにしますと、他のパーツに干渉しますので、適宜現場合わせで削って調整します。
　95式水偵察の両翼は、ちゃんと削って薄くしてやりました。零式水偵の方は翼にモールドがしっかり施されていますので、削ったりせずそのままで組立てています。

　艦中央部を、少し離れた海上の目線から見てみます。第２次改装によって近代的な艦として完成した、芸術的な艦姿がたまらないですね。

　以下に、開戦時点での「妙高」型４艦の、簡単な識別点を何点か記述しておきましょう。主に模型制作の観点から書いていますので、内部居住区間や細かい甲板突起物（通風筒、ハッチ、リール等）につきましては書いていません。全てを網羅しようとなったら、大変な作業になるでしょう。

	「妙高」	「那智」	「足柄」	「羽黒」
艦首旗竿の支柱	・旗竿の前に支柱	・「妙高」に同じ	・「妙高」に同じ	・旗竿の後に支柱
菊花紋章板及び艦首フェアリーダー	・フェアリーダーの後部に小さいボラード有り	・フェアリーダーの後部にボラードなし	・菊花紋章板がフェアリーダーと一体化・フェアリーダーの後部に小さいボラード有り	・「那智」に同じ
主砲防熱板の形状	ここを参照
２番砲塔上の空中線支柱の形状	・三角錐で高めのトラス	・三角錐で低めのトラス・リングが挿入	・四角錐で高めのトラス	・「那智」に同じ
４番砲塔上の空中線支柱の形状	・三角錐で高いトラス・上部が逆三角形構造	・三角錐で高いトラス・上部が逆三角形構造・旗ヤードがつく	・四角錐で高いトラス	・「妙高」に同じ
照準演習機起動機覆	・台形	・凸形	・「那智」に同じ	・「那智」に同じ
パラベーン格納位置	・艦橋の前面壁に４個	・91式高射装置の下に１個づつ	・艦橋の前面壁に２個	・艦橋の前面壁に４個（「妙高」と位置が微妙に違う？）
電動ウインチの位置	・艦橋前面直下・第４砲塔右前に並行置き	・第２砲塔の左横・第４砲塔右前に斜め置き	・第２砲塔の左横	・第２砲塔の左横
艦橋トップ	・６m測距儀と94式方位盤射撃装置が分離・防空指揮所を設置	・６m測距儀と94式方位盤射撃装置が一体化・防空指揮所なし	・「那智」に同じ	・「那智」に同じ
羅針盤艦橋前面	・上部見張所を撤去し、遮風板を設置	・上部見張所のまま	・「那智」に同じ	・「那智」に同じ
艦橋その他	・上部艦橋両側の3.5m測距儀を撤去・艦橋前面壁に空中線引込筒×１、通風口×１	・上部艦橋両側の3.5m測距儀はそのまま・艦橋前面壁に空中線引込筒×１、通風口×３	・上部艦橋両側の3.5m測距儀はそのまま・艦橋前面壁の左側に空中線引込筒×１	・上部艦橋両側の3.5m測距儀はそのまま・艦橋前面壁の中央に空中線引込筒×１
１番２番探照燈台	・艦首方向に渡り板・デリックは少し中央寄り	・艦尾方向に渡り板・デリックは少し両舷寄り	・艦尾方向に渡り板	・不明
１番煙突の蒸気捨管	・両舷に２本づつ、後部に１本	・両舷に１本づつ、前部に２本、後部に１本	・両舷に２本づつ、後部に２本	・右舷に１本、左舷に２本、前部に１本、後部に１本
後マスト	・トップヤードはV字で傾斜・ヤードの傾斜角は鋭角	・トップヤードはV字で、少しだけ傾斜・ヤードの傾斜角は鈍角	・トップヤードは十字のまま	・トップヤードはV字・ヤードの傾斜角は鈍角
デリック	・電動ホイスト＆固定式旋回クレーンに換装	・機械旋回式トラス構造デリック	・「那智」に同じ	・「那智」に同じ
舷窓	・旗艦施設があるので少し余分に多い・図面、写真からある程度判読可	・図面からある程度判読可	・旗艦施設があるので少し余分に多い・ジョージ六世戴冠式参加の時の写真からある程度判読可	・「妙高」から類推
舷側汚水捨管の位置	・図面、写真からある程度判読可	・図面からある程度判読可	・ジョージ六世戴冠式参加の時の写真からある程度判読可	・「妙高」から類推
舷外電路	・複雑に折れ曲がった「妙高」独自のパターン	・ほぽ直線	・ほぽ直線、しかし「那智」「羽黒」とは敏妙に違う	・ほぽ直線、しかし「那智」「足柄」とは敏妙に違う

　完成後は、以下の写真のように海面と波を簡単にパテで作ってその上にボルトで固定し、アクリルケースに収めて保管しています。全盛時の「妙高」の全力疾走の雰囲気がいくらかでも出ていますでしょうか。