米海軍イージス巡洋艦「タイコンデロガ」
USN Aegis Cruiser CG-47  Ticonderoga

　「タイコンデロガ」級イージス巡洋艦は、米海軍が「スプルーアンス」級駆逐艦をベースにして開発した初めてのイージスコンバットシステム搭載艦です。 イージスシステムにより対航空機や対ミサイルの索敵と迎撃が従来艦に比べ飛躍的に向上した、現代の最強艦の一つと言えるでしょう。ネームシップの「タイコンデロガ」はアメリカ独立戦争の古戦場に因むニューヨーク州北部の地名が由来で、第２次大戦時に「エセックス」級航空母艦の１隻にも命名されました。

　同型艦はCG-47[タイコンデロガ」からCG-73[ポートロイヤル」まで、27隻が1994年までに建艦され、現在のところ米海軍が保有する唯一の現役巡洋艦です。1、2番艦は初期型と称され、メインマストが５本のがっちりしたタイプ。カマンSH-2Fシースプライト対潜ヘリを搭載するイージスコンバットシステム・ベースライン0と称されています。3〜5番艦はマストの支柱を３本にした重量軽減タイプ。シコルスキーSH-60Bシーホーク対潜ヘリを搭載するベースライン1と称されています。ここまでの艦の主要対空装備はMk26Mod.1ランチャーとスタンダードミサイルSM-2MRになっています。
　6番艦以降はミサイル発射機をVLSに換装したVLS装備型で、Mk26ランチャーをMk41VLSに換装したことで対空迎撃能力が改良されました。さらに、トマホーク巡航ミサイルを搭載できるようになったことで、対地攻撃能力も飛躍的に向上しています。イージスコンバットシステムはSPY-1フェイズドアレイレーダーやメインコンピュータそれに艦首の対潜ハルソナーなどを適宜改良したことで、ベースライン2から4まで進化しています。

　このような装備の変遷から、5番艦までを「タイコンデロガ」級、6番艦以降を「改タイコンデロガ」級と称する向きもあるようです。

　なおこの「タイコンデロガ」は、2006年3月に大日本絵画より出版された『ネイビーヤード（NAVY YARD）』誌Vol.3に掲載されました。

　製作手順の詳細は、【米海軍イージス巡洋艦「タイコンデロガ」製作記】part１〜2をご覧下さい。→
If you want to know more details of the production procedure, please click on this button and see the "making points of Ticonderoga" (But this production description is described in Japanese only).

　VLSを搭載していない旧式ともいえる1〜5番艦は2006年までに全て退役してしまいました。1983年に就役したネームシップの「タイコンデロガ」もすでに20年以上の年月を経たため、2004年9月に退役済みです。

　「タイコンデロガ」の雄姿を海上に近い目線から見てみましょう。イージス艦独特のSPY-1フェイズドアレイレーダを持つ巨大な艦橋構造が目をひきますね。マストは典型的なトラス構造で、最近の一般的なデザインとなったステルス性は全く考慮されていません。

　艦首と艦尾からクローズアップしてみました。VLSではないミサイルランチャーが、今となってはクラシックかもしれませんね。でも味気ない平面形のVLSを積んだのっぺりした最近の艦よりも、これこそが正統ミサイル艦のような気もします(^^;)。

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