USN Aegis Destroyer DDG-82 Lassen
角ばって巨大な艦橋とそこに張りつけられたフェイズドアレイレーダーが特徴的なイージス艦。同じイージス艦の「タイコンデロガ」級が従来艦の構造の延長で重厚な雰囲気を醸し出しているのに比べ、「アーレイバーク」級はステルス性を考慮したデザインとなり、軽快かつ合理的な艦姿となりました。特にマストは従来艦のようなトラス構造むき出しではなく、平面を組み合わせた塔状マストを採用しています。
太平洋戦争中常時31ノットの高速航行をモットーとしたため「31ノット・バーク」とあだ名された駆逐隊司令アーレイ・バークの名前を冠した「アーレイ・バーク」をネームシップとする同級は、DDG-51の「アーレイ・バーク」が1991年に就役してからDDG-112「マイケル・マーフィ」まで現在のところ62隻が就役しています。最終的に同型艦は68隻となる予定で、これは第二次大戦後に米海軍が建造した水上戦闘艦艇としては最も多く、我が国海上自衛隊の「こんごう」級のベースとなったことでも有名です。
各艦は大まかに基本型のフライトⅠ（DDG-51～71、21隻）、改良型のフライトⅡ（DDG-72～78、7隻）、ヘリコプター搭載型のフライトⅡA（DDG-79～112、34隻）の３種に分けられます。フライトⅡへの改装は各種電子戦システムの改良と燃料搭載量の増加が行われた程度で、外見上の違いはトップマストの傾斜がフライトⅠではマストと同じ傾斜角度で斜めになっているのに対し、フライトⅡでは垂直になっているぐらいのわずかなものです。ただこれも近年はフライトⅠの多くはⅡ仕様に改修されています。
一方フライトⅡAはⅠやⅡとは艦後部の形状がかなり異なり、2機のヘリコプターを搭載するための大型格納庫を設けているため、容易に見分けることが出来ます。また格納庫の設置によりハープーンSSM４連装発射筒は取り外され、さらにVLSのミサイル再装填用クレーンも廃止され、その分セル数を6セル増やして前部32セル、後部64セルの合計96セルとなっています。さらにDDG-85「マッキャンベル」以降はCIWSも搭載しておらず、DDG-89「マスティン」以降は煙突が上部構造内に埋め込まれてステルス性をより一層向上させた形状に進化しています。
「ラッセン」は32番艦で、フライトⅡAとしては4番目です。2001年4月に竣工し、現在は弾道ミサイル防衛対応艦として横須賀に配備されています。
なおこの「ラッセン」は、2015年3月に大日本絵画より出版された『ネイビーヤード（NAVY YARD）』誌Vol.28に掲載されました。
製作手順の詳細は、【米海軍イージス駆逐艦「ラッセン」製作記】part１～3をご覧下さい。→
If you want to know more details of the production procedure, please click on this button and see the "making points of Lassen" (But this production description is described in Japanese only).
