ロシア海軍ウダロイ級対潜駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」
Russian Modern Navy Udaloy class anti-submarine destroyer 548
Admiral Panteleyev
ロシア海軍「ウダロイ」級は、正式名を1155「フレガート」設計大型対潜艦と称する対潜重視の大型艦艇です。設計当初は4000トン程度で計画されましたが、長射程の対潜ミサイルや対潜哨戒ヘリコプター2機を搭載し、さらに個艦防空ミサイルを備えるなど各種兵装を盛り込んだ結果、排水量は8000トン以上に倍増しました。
船体は長船首楼船型を採用し、鋭く尖った艦首と平坦な艦尾という「二重楔」型船体となっています。ステルス性の向上を狙って上部構造物の外壁は内側にわずかに傾斜し、後部上部構造物にヘリコプター格納庫とヘリ甲板が設置されました。過酷な北極海での活動を踏まえた対候性の向上を意図して、上部構造物の軽量化を図りアルミ合金が多用されました。しかしこれは抗堪性や耐火性の低下を招き、4番艦「アドミラル・ザハロフ」が火災を起こした時に、結局損傷を修復せず廃船を余儀なくされています。
対潜戦闘システムとしてMGK-355ポリノム統合ソナーシステムを装備し、対長距離用RPK-5ラストルーブ（SSN-14）対潜ミサイル、対中距離用RBU-6000対潜ロケット、対短距離用533mm対潜魚雷さらに射程外に対するKa-27対潜ヘリという四段階に及ぶ非常に強力な対潜火力網を有するのが特徴です。ヘリ甲板は3番艦以降わずかに拡張され、それに伴って着艦標識のサークルがそれまでの１個から２個描かれるように変更されました。
対空戦闘システムはMR-750フレガートMA三次元レーダーを装備し、個艦防衛の要として垂直発射化された3K95キンジャール個艦防空VLSを８基装備しています。
本級は対水上戦闘能力の弱さが都度指摘されてきましたが、100mm主砲の搭載、AK-630CIWSの装備、RPK-5対潜ミサイルへの対艦攻撃力の付与などでカバーしています。
「ウダロイ」級は1991年までに合計12隻建造され、2015年現在で4隻がすでに除籍されました。残り8隻のうち太平洋艦隊に所属する7番艦「マルシャル・シャポシニコフ」、10番艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」そして1991年12月に竣工した「ウダロイ」級の12番艦にして最終艦でもある「アドミラル・パンテレーエフ」の3隻は比較的活発に活動し、2013年には地中海方面支援、2014年にはアデン湾での海賊対処任務、2015年にはインド洋遠洋航海などを各艦がそれぞれ実施してその存在を誇示しています。
当工場では、「ウダロイ」級の最終竣工艦にして現在も現役として活躍し続けている第12番艦「アドミラル・パンテレーエフ」の勇姿を、1/700スケールモデルとして再現しています。当艦は今もなお数年ごとに舞鶴や函館を訪問しており、情報の少ないロシア艦艇の中では日本人にとっても多少なじみがあるかもしれません。
なおこの「アドミラル・パンテレーエフ」は、2016年3月に大日本絵画より出版された『ネイビーヤード（NAVY
YARD）』誌Vol.31に掲載されました。
製作手順の詳細は、【ロシア海軍ウダロイ級対潜駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」製作記】part１〜5をご覧下さい。→
If you
want to know more details of the production procedure, please
click on this button and see the "making points of Admiral Panteleyev(АДМИРАЛ
ПАНТЕЛЕЕВ)". But this production description is described in Japanese only.
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要目 |
1980年12月〜1991年12月（全12隻） |
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全長（ｍ） |
163.5 |
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全幅（ｍ） |
19.3 |
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吃水（ｍ） |
7.5 |
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満載排水量（ｔ） |
8,500 |
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主機 |
COGAG方式ガスタービンエンジン4基、2軸推進 |
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速力（ノット） |
最大29.5 |
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航続距離 |
5,700海里/14kt |
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兵装 |
Ak-100 100mm単装砲 ×２ |
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搭載機 |
Ka-27対潜哨戒ヘリコプター ×２ |
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乗員（人） |
249 |
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所属/同型艦 |
太平洋艦隊 |
・「アドミラル・トリブツ」 ・「マルシャル・シャポシニコフ」 ・「アドミラル・ヴィノグラドフ」 ・「アドミラル・パンテレーエフ」 |
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北方艦隊 |
・「ヴィツェ−アドミラル・クラコフ」 ・「セベロモルスク」 ・「アドミラル・レフチェンコ」 |
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予備役 |
・「アドミラル・ハルラモフ」 | |
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除籍済み |
・「ウダロイ」 ・「マルシャル・ワシレフスキー」 ・「アドミラル・ザハロフ」 ・「アドミラル・スピリドノフ」 |
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「ウダロイ」級対潜駆逐艦第12番艦「アドミラル・パンテレーエフ」の堂々たる艦姿を、以下にお見せします。
ロシア艦特有の林立する巨大で複雑なレーダー群、これでもかというぐらいてんこ盛りにした各種攻撃用兵装、鋭く前に突き出した艦首、艦首からの流れるようなシアー等々、見どころ満載です。
重装備に加え、ゴチャゴチャとまとめた上部構造や艦尾の狭く使い辛そうなヘリ格納庫とヘリ甲板なども、いかにもロシア艦独特の雰囲気を醸し出していると言えるでしょう。
艦首と艦尾のクローズアップ。 ナイフのエッジのような鋭く長くとがった艦首からのシアーが、特に目につきますね。ヘリ格納庫やヘリ甲板はかなり窮屈そうで、無理している感がありあり。
さらに上方からのショットを何枚か。艦首からの流れるようなシアーもさりながら、 艦中央部から後方にかけてのゴチャゴチャした感じがなんともいえず『軍艦！』という印象です。甲板のグリーンやブラウンの色も、船体色と良くマッチしていますね。美的センスに溢れた、見事な色使いではありませんか！
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