米海軍 ミサイルフリゲート「イングラハム」製作記<part4>
The Making Points of USS Missile Frigate Ingraham FFG-61<part4>

.デカール貼り

 デカール貼りや船体に上部構造を固着する前に、展示台に船体をボルトで固定し ておきます。こうすれば船体に触ることなく作業中の取り回しが出来て便利でしょう。 デカールを貼る手順に決まりはありませんが、私の場合はいつも艦首の艦番号から貼っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのあと艦番号をノンビジ化するため、シンナーでごく薄く希釈したGSIクレオスの軍艦色(1)を番号の付近にエアブラシ で吹きつけます。艦底の黒い部分に塗料が及ばないよう、下写真の青矢印に示すようなマスキングをお忘れなく。
 艦首旗竿は
0.3mmφプラ棒を立てました。この旗竿は緑矢印に示すように、実艦では黒色と船体色でだんだら塗装されています。

 

 

 下写真に示すように、主砲とミサイルランチャーの周りに警戒線の赤いデカールを貼ります。貼る前に円弧の長さを現物合わせ して調整し、適当な長さにカットしておきましょう。ランチャー周りは段差が大きいので、警戒線デカールはマークソフターでよくなじませながら慎重に貼っていきます。

 なおミサイル発射機の警戒線デカールは太すぎて使えないため、予備の余りデカールの中から少し細めのものを探して使用しています(以前作った「タイコンデロガ」の余りデカールを転用)。また下左写真の青矢印に示す艦首甲板のヴァートレップ標識は付属のデカールを使用しましたが、これもやや太めなようです。

 下左写真の緑矢印に示すくぼみの中は舷灯で、右舷は緑色、左舷は赤色を塗布しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘリ甲板には、下左写真の青矢印に示す箇所に発着艦標識のデカールを貼ります。艦尾に艦番号と艦名を貼り、下右写真のオレンジ矢印に示すように旗竿に見立てた0.3mmφプラ棒を艦尾にも立てておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.上部構造の取りつけなど

 
上部構造の天蓋上に、塗装済みのレドーム、メインマスト、対空レーダーとマスト、各種装備品などを取りつけ、それぞれ所定の色(明灰白色、白色、銀色、黒色など)を筆塗りしてメリハリをつけます。主砲の砲身はつや消し黒色で、航海レーダーは白色、レドーム類は白色か灰白色、煙突内部は黒色、救命ブイは赤色でそれぞれ筆塗りして、単調な軍艦の色に彩りを添えます。
 主砲とミサイルランチャーは、警戒線のデカールを貼ったあとに取りつけた方が邪魔にならなくて良いかもしれませんね。

 なお、付属のエッチングパーツはマストや対空レーダーがあっさりしすぎた形状なため、実艦と少し違った印象になってしまいます。そのためメインマスト、対空レーダー、対空レーダー用トラス、レドーム用架台、手すり、ヘリ甲板ネットなど 主要パーツは、
GoldMedal製「現用米海軍艦艇・日本自衛艦用」PE-28のものを使用しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.細部ディテールアップののち完成へ

1)搭載艇収容スペースの形状修正
 
左舷中央部には搭載艇を置くスペースA37が設けられています 。しかし「イングラハム」の場合は真ん中にダビットがないタイプのため、搭載艇を置くスペースA37の形状 を修正しなければなりません。
 下写真の青矢印に示すようにスペースA37の切り欠きはプラ板で埋め、外周にエッチングパーツの手すりを貼りめぐらせます。

 またキット付属のパーツであるダビット
A32は使わず、搭載艇 収容クレーンを下右写真のオレンジ矢印に示すような形状にして
ラ棒で自作し、A37の後方に 取りつけます。設置します。
 搭載艇の船底には、これもプラ板で自作した架台を下右写真の緑矢印に示すように取りつけておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この形状修正した搭載艇収容スペースを左舷中ぷ部に取りつけたら、下写真の青矢印に示すようにプラ棒の支柱を3本取りつけておきます。この支柱は0.3mm角棒を使いました。

 

 

2)張り線とホイップアンテナ
 
メインマストのヤードA42の両舷と後方から出ている空中線と旗索を表現するため、 下写真の青矢印に示すように鮎釣り用0.052mmφ金属テグスを使って張り線を行いました。
 緑矢印に示す上部構造物上面のホイップアンテナは、極力細く伸ばした伸ばしランナーを使用。

 

 

3)軽くつや消しクリアーを吹いて完成へ
 
船体を展示台からいったん外し、上写真のような塗装用の治具に船体を固定してから、艦全体につや消しクリアーを まんべんなく軽くエアブラシ塗装します。最後にプラスチックケースの台座にボルトで固定し、ようやく完成となります。
 
今回は、かなり古いキットを出来るだけディテールアップすることを念頭に置いた作り方をしてみました。

 下写真は、
完成した「イングラハム」と参考にしたパソコン画面の実艦の画像をツーショットにしたもの。米海軍の有名な艦種なので、個艦ベースでの写真も数多くあり、仕様の特定はそれほど難しくないかもしれません 。


1/700現用艦艇部門・米海軍ミサイルフリゲート「イングラハム」FFG-61 Ingraham
1/700 Modern Warships USS Missile Frigate Ingraham FFG-61.