米国海軍ドック型輸送揚陸艦「ニューオーリンズ」製作記＜part2＞
The Making Points of USS LPD NewOrleans LPD-18＜part2＞

３．船体の塗装

　これから塗装に入りますので、最初に全体にサフェーサーを吹いて表面状態をチェック。問題なければ船体やヘリ甲板の塗装に入ります。 なお、手すりについては、貼ったあとサフェーサーを吹くと手すりが目詰まりしたり太くなったりしやすくなるため、出来ればサフェーサーを吹いたあとから貼る方がベターでしょう。
　特に支障なく簡単に組むことの出来るキットなので、１週間もあればここまで出来ると思います。

　次に 船体の甲板、上部構造の天蓋、飛行甲板などを、ピットロード製アメリカ海軍現用グレー（２）でエアブラシ塗装します。

　甲板の塗装と 同時に、艦底をGSIクレオスの艦底色で、展示台Z2をつや消し黒色で、Z1をゴールドでそれぞれエアブラシ塗装 しておきます。　

　甲板、上部構造の天蓋、飛行甲板 などを全てマスキングします。マスキング作業は、写真のように適当な台に固定して行うと効率的ですね。

　今度は、船体にGSIクレオスの軍艦色（１）をエアブラシ塗装します。乾燥させてから船体の吃水部以外と煙突周辺をマスキング 。船体下部はウォーターライン仕様にも対応するように、下写真に示すように吃水線から0.5〜1mmぐらいまでを除いてマスキングしてからつや消し黒色をエアブラシ塗装します。
　マスキングテープをすべてはがし、はみ出しや塗り残しを筆塗り修正して船体の塗装が終了です。

　ここまででエアブラシ塗装の作業が完了。はみ出しや塗り残しを筆塗り修正したのち、 展示台に船体をボルトで固定します。煙突内部は黒色、各種レドーム類は白色と明灰白色、窓は青竹色（57番）、救命ブイは赤色でそれぞれ筆塗り です。

４．デカール貼り

　デカールの艦番号や吃水標は問題なく貼れますが、飛行甲板の標識はつや消し塗装した凸凹の甲板表面に大面積のデカールを貼るため、必然的に広い範囲にわたってシルバリングを起こします。GSIクレオスのマークソフターやマークセッターを動員して極力シルバリングを減らしましたが、それでもきれいになくすことは出来ませんでした。

　下左写真のように、 艦首側面に艦番号や吃水標識などを貼っていきます。キットでは「ニューヨーク」のデカールしか用意されていませんので、手持ちのドラゴン製キットのデカールから番号を選んで艦番号18の「ニューオーリンズ」にしています。
　 飛行甲板に付属の標識デカールを貼ります。つや消し塗料でザラザラの表面にデカールはなじみにくく、下右写真の青い円で囲った部分を中心として広範囲にシルバリングを起こしました。GSIクレオスのマークソフターやマークセッターをフル動員しましたが、シルバリングを完全に除去するのは難しいですね。

５．搭載機の製作

　最新鋭のV-22オスプレイがパーツとして用意されていますので、作って載せることにしました。モールドが非常にあっさりした透明パーツですが、モールドは一切なくローターなども分厚いままのもので、あまり載せたいとは思えないパーツばかりです （苦笑）。オスプレイV‐22のみ作ってみましたが、前後の翼とローターを カッターやヤスリを使って極力薄く削いでみました。

　下右写真は出来上がったオスプレイV‐22。塗装してデカールを貼るとそこそこ見れるものが作れま した。タイヤやローターの標識の塗り分けに注意したぐらいで、あとはデカールでの表現です。オスプレイのパーツは今のところ他にありませんので、それなりに重宝するかもしれませんね。

６．細部ディテールアップのうえ完成へ

　航海レーダーA48はサイズが大きすぎますので、細いプラ棒で自作します。それを白色で、同じく自作の救命ブイは赤色で、レドーム類は白色か灰白色でそれぞれ筆塗り。 備品や救命ブイなどを茶色や赤色で塗っておくと 単調な船体色の中で目立って、良いアクセントになるでしょう。
　ヤードからの旗索は、鮎釣り用0.052mmφ金属テグスで張り線を行いました。

　煙突のホイップアンテナはA11を使わず、すべて伸ばしランナーにしました。艦橋後方の左舷側に 青い円で示すように信号旗用旗函を自作してヤードからの旗索を固定しています。国旗は付属のデカールを使用。

　グレー系のパステル粉（Nouvel Carre Pastel W004）を3種類用意し、船体と上部構造物を軽くウェザリング して汚れた感じにします。
　これらの作業を終えてから、艦全体につや消しクリアーを吹いて塗装ムラやデカールのシルバリングを押さえるようにしました。 今回はヘリ甲板に大々的なシルバリングが発生しましたので、つや消しクリアー吹きもなんどか重ねて入念に行いました。

　箱絵と一緒に写真をパチリと撮って、これにてすべての作業が終了です。

【付属品以外に使用したエッチングパーツ】

・手すりはフライホーク製「海上自衛隊用手すり」FH700089
・水密扉はハセガワ製ウォーターライン専用パーツ
・ラッタルはGoldMedal製「現用米海軍艦艇・日本自衛艦用」PE-28
・12.7mm単装機銃はファインモールド製13mm単装機銃用エッチングパーツ
を各々使用。

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