海上自衛隊  補給艦「ときわ」（AOE-423）の製作記＜part4＞
Making points of JMSDF First Combat Support Ship AOE-423 TOKIWA.＜part4＞

８．細部ディテールアップ

　艦首の旗竿は、錨鎖甲板ではなく艦首ブルワーク先頭の上に立っていることに注意。艦番号は「423」という続き番号のデカールが用意されていますので、番号を一つずつ切り離して貼るようにします。
　操作盤支柱、ウインチ、エアタンクなどのディテールアップには、専用のピットロード製「海上自衛隊補給艦とわだ型用エッチングパーツ」を使いました。

　艦橋両端のスペースには、下左写真のように真鍮線とプラ材で自作した双眼鏡などを立ててそれらしく作ってみました。作業艇とダビット、 ボートコンテナなどもこの時に取りつけます。また下写真ではまだ取りつけていませんが、艦橋両翼には天井付きの張り出し部がありますので、あとで専用のピットロード製「海上自衛隊補給艦とわだ型用エッチングパーツ」のパーツを取りつけておきます。
　ヘリ甲板のマーキングは、キット付属のデカールをマークソフターを使ってなじませながら貼ります。出来るだけのりしろをカットして貼って、シルバリングを極力押さえるようにしま しょう。

９．補給ポストと補給管の製作

　さあ、いよいよ 最後の難関、「とわだ」型の最大の特徴であり模型としても大きな見せ場である補給ポストと補給管の製作です。補給管には、ケーブルコードを束ねたり荷物をしばったりする時に使う 、プラスチック薄片に埋め込まれた下写真のようなバンドを使います。 今回はタイミング良く、ちょうど宅配便で送られてきた乾物の箱がこのバンドでしばってあったので、さっそくこのバンドを使いました。バンドをほぐして中の金属線を取り出しますが、この金属線はフレキシブルなので、曲がった補給管を容易に再現することが出来ました。

　補給ポストは、キットのパーツ（B4、B7）を専用のピットロード製「海上自衛隊補給艦とわだ型用エッチングパーツ」にある手すりでディテールアップし ます。またポストの補給管を束ねる部分に、0.2mmφ真鍮線を取りつけておきます。
　補給管は、上写真のバンドからほぐして取った金属線を、下右写真のように現物合わせで適当な長さのループを４重に作ってから0.1mmφエナメル細線で束ねます。束ねた補給管は、0.1mmφエナメル線を使ってポストにさした真鍮線に固定します。これでポストと補給管はがっちり固定されることになります。

　結果をサラリと書きましたが、実際の作業工程は案外大変(^^;)。このような方法を思いつくまでにしばらくかかり、いくつかの方法を試行錯誤しました。

　出来上がった補給ポストと補給管。 専用のピットロード製「海上自衛隊補給艦とわだ型用エッチングパーツ」にはこの補給管のパーツ もありますが、扁平で細過ぎますので、存在感が出ません。やはりここはこのように新たに作るしかないでしょうね。
　補給管は艦艇用燃料、航空機用燃料、飲料水という用途に応じて3種類の太さのものがありますが、この金属線よりさらに細くてフレキシブルな金属線が見当たりませんでしたので、一番太い管のみ再現しています。この太い管はうねりくねって４往復しているのが遠目でも良く見えますので、これを４重のループで表現しました。

　出来上がった補給ポストと補給管を甲板に取りつけます。補給管は甲板の取り付け口に入り込むようになっていますので、ピンバイスで甲板に開けた穴に位置合わせしながら補給管を差し込みます。ポストの両足の位置を合わせながら4本の管を同時に差し込みますが、これが 少々手間のかかる作業となりました。

　反対側から見ると、このようになりました

１０．張り線ののち完成へ

　煙突と補給ポストのホイップアンテナは、細めの伸ばしランナーを接着しています。マストの旗索は、0.052mmφ金属テグスによる張り線です。ついでに、展示台の海面に航行波を手書きしておくとさらに臨場感が増すでしょう(^^)。

　いつものように、仕上げにつや消しクリアを艦全体にエアブラシして色調を整え、ようやく完成です。
　今回はマスキングによる塗装で通行帯の白線を表現してみました。またエッチングメッシュを使って艦橋窓枠を表現しています。さらに「とわだ」型最大の特徴である３基の補給ポストとうねうね曲がりくねった補給管をエッチングパーツや金属線でディテールアップしてみました。

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