海上自衛隊 汎用護衛艦「はるさめ」（DD-102）の製作記＜part４＞
Making points of JMSDF destroyer DD-102 HARUSAME.＜part4＞

９．上部構造物やマストの完成

　 塗装まで行い完成させた艦橋。青矢印で示すCIWS上部の白色、 各種レドーム類の白色、オレンジ矢印で示す救命ブイの赤色などは筆塗りで仕上げます。

　煙突についても、煙突トップのファンネル部を黒色で、青矢印で示す探照灯のレンズ部分を銀色で、オレンジ矢印で示す救命ブイを赤色で、それぞれ筆塗りしておきます。

　後部上部構造物については、煙突トップのファンネル部を黒色で、オレンジ矢印で示す救命ブイを赤色で、同じくオレンジ矢印で示すホイップアンテナ基部を赤色で、青矢印で示す水平灯、CIWS上部、各種レドーム類などを白色でそれぞれ筆塗りして仕上げます。

　マストについては、中段のレドームを白色で筆塗りするぐらいで良いでしょう。

１０．上部構造物や兵装の取りつけ

　船体に上部構造物を取りつける前に、マストのヤードから艦橋天蓋側面と信号旗函へ0.052mmφ鮎釣り用金属テグスを使用 して張り線を行います。張り線はこの状態で作業しておけば、比較的楽勝で張れますね。

　下写真の青矢印に示すように、張り線は下段ヤードと信号旗函の間に５〜６本、そして上段ヤードと艦橋天蓋の側面両舷に各３本ずつ張ります。

　以上の作業をすべて終了後、船体に塗装済みの艦橋や上部構造物を固着します。その際、カッター（ボート）及びダビット、三連装短魚雷発射管、救命筏なども舷側に取りつけます。カッターダビットの基部は、 外舷と 面イチになるよう取りつけます。
　煙突のホイップアンテナは細めに作った伸ばしランナーで、根元は赤く塗ってあります。ようやく護衛艦らしい体裁が整ってきました。

１１．細部ディテールアップを済ませて完成へ

　現役の自衛艦は設備の移設や増設といった細かい仕様変更が多く、少し見ない間に変化していることがあります。「はるさめ」も同様で、2013年6月現在の最新状態では艦橋後方の両舷のレドーム（パーツ番号B42）は少し大きなものに換装されています。

　また後部上部構造上のレドーム類は、年を追って増設・移設されています。場所的には２番煙突の右舷側に１基、後部上部構造の左舷側に１基、後部上部構造の天井に２基確認出来ます。これらのレドーム類は 古いバージョンのキットには付属していませんので、他のキットからちょうど良い大きさのパーツを探すか、下写真に示すようにプラ棒を削るなどして自作する必要があるでしょう。
　２番煙突の右舷側の１基と後部上部構造の左舷側の１基には支え用のフラットがついていますので、これもプラ板で自作しておきましょう。

　「はるさめ」の増設された 右舷側のレドームは、２番煙突の右舷後方にフラット付きで１基あります。また後部上部構造（格納庫）の天井には、２基確認出来ます。 下左写真に青矢印でこれらの増設されたレドームを示しますが、これらのレドームはプラ棒による自作です。
　一方、増設された 左舷側のレドームは、下右写真の青矢印に示すように格納庫の左舷側壁にフラット付きで１基あります。

　ヘリ甲板の右舷艦首寄りに置かれるエッチングパーツのLSO室は、下右写真のオレンジ矢印に示すような位置と向きに取りつけます。

　艦首尾には0.3mmφのプラ棒と0.2mmφ真鍮線を組み合わせて旗竿を立てますが、中心の柱はフェアリーダー上に載っていることに注意。中心の柱をプラ材のフェアリーダーの上に接着しなければならないため、中心の柱は真鍮線を使わずあえてプラ棒にしています。
　細部の追加工作を全て終えてから、艦尾旗竿にデカールの軍艦旗を取りつけます。

　最後につや消しクリアを艦全体に軽く吹いて色調を整えます。海面と航行波を模した台座を用意し、そこに裏からボルトで固定してから「はるさめ」の軽快な姿を描いたボックスアートともにパチリ。これにてようやく完成となりました。

　ちなみに、使用したエッチングパーツはアオシマ製「むらさめ/たかなみ」専用エッチングパーツセット以外に以下のとおり。

・艦橋の窓枠…ジョーワールド製「精密窓枠Ver.A」JPE27G
・ラッタル…ゴールドメダル製「現用米海軍艦艇・日本自衛艦用」PE-28
・ハッチ…ハセガワ製「1/700ウォーターライン専用水密扉セット」
・手すり…ライオンロア製「米軍現代艦船用」LE700043とフライホーク製「海上自衛隊用手すり」FH700089を場所により使い分け

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