英国海軍42型ミサイル駆逐艦「 エディンバラ」製作記＜part4＞
The Making Points of Royal Navy type42 destroyer HMS Edinburgh ＜part4＞

８．デカール貼り

　事前に作っておいた海面付きの展示台に、船体をボルトで固定します。こうすれば船体に触ることなく作業中の取り回しが出来て便利でしょう。その上で船体に上部構造を固着します。
　円弧の長さを現物合わせでカットした警戒線、ヘリ甲板の着艦標識、艦番号、艦名などのデカールをそれぞれマークソフターでよくなじませながら貼っていきます。

　下左写真の緑矢印に示すように、主砲とシーダートミサイルランチャーの周りに警戒線のデカールを貼ります。貼る前に円弧の長さを現物合わせでカットしておきましょう。　
　 ヘリ甲板には下右写真の緑矢印に示すように標識のデカールを貼りますが、非常に優れたデカールで余白部分が小さくシルバリングはほとんど発生していません。艦尾旗竿には、 オレンジ矢印に示すように付属デカールのホワイトエンサインを取りつけてみました。

９．上部構造の取りつけなど

　塗装済みの兵装、搭載備品などを取りつけます。主砲とシーダートミサイルランチャーは警戒線のデカールを貼ったあとに取りつけましょう。下写真はほぼ出来上がりの船体と上部構造中央部。

　下左写真の緑矢印に示すように、シーダートミサイルは赤色で筆塗りです。同じく主砲の砲身はピンク矢印に示すようにつや消し黒色で塗装しておきましょう。下右写真に示すように、CIWSや20mm機関砲も取りつけます。

　右舷後方の搭載艇用クレーンA10は、トラス部分をエッチングパーツ（日本海軍空母の無線マストから転用）に換えました。 ダビットA11も真鍮線に置き換え ています。

１０．細部ディテールアップののち完成へ

　写真を見ると2000年代以降の後マストには、塔の下段に 下左写真のオレンジ矢印に示すような三角錐状のヤードと網状のレーダーが追加されています。そのためこれらを追加する必要があり、網状レーダーはファインモールド製エッチングメッシュを カットして転用し、三角錐のヤードは0.2mmφ真鍮線を ３本使って組みました。
　後マストは上部が黒く塗り分けられているので、黒く塗り分けする必要があり少々面倒ですね。

　前マスト基部にある両舷レドーム（GAM-B01 20mm機関砲射撃指揮装置）の踊り場を0.4mm厚プラ板で、支柱を0.5mmφプラ棒で自作し、エッチングパーツの手すりをこの踊り場に貼ります。
　艦橋A14の天蓋にあるはずの航海レーダーはパーツがないため、プラ材で自作しましょう。

　塗装済みの対空レーダー（下左写真の青矢印に示す）、各レドーム類、前後マストを下写真のように上部構造に固着します。

　前後ヤードから数本の旗索が出ていますので、緑矢印で示すようにこの旗索は鮎釣り用0.052mmφ金属テグスで張り線を行いました。自衛艦や米海軍艦と違ってわずかに数本の旗索だけなので、 張り線作業が非常に楽です。オレンジ矢印に示す煙突側面のホイップアンテナは伸ばしランナーを使用。

　航海レーダーは白色、レドーム類は白色か灰白色、煙突内部は黒色、救命ブイは赤色でそれぞれ筆塗りして、単調な軍艦の色に彩りを添えます。

　船体を展示台からいったん外し、塗装用の治具に固定してから、全体につや消しクリアを軽くエアブラシ塗装。これにてすべての作業が終了しました。今回は、かなり古いキットを出来るだけディテールアップすることを念頭に置いた作り方をしてみました。

　タミヤ製波板を使って海面を模して作った展示台に置いて裏からボルトで固定し、参考にした 海外サイトの「エディンバラ」の画像とともにパチリ。最新鋭艦「デアリング」などの近未来艦とは趣の異なる、ある意味軍艦らしかった軍艦の出来上がりです。

■付属品以外に使用したエッチングパーツ

・上部構造の手すり…ホワイトエンサイン製現代艦船用汎用手すり
・水密扉とリール…ハセガワ製ウォーターライン専用パーツ
・ヘリ甲板ネットとラッタル…GoldMedal製「現用米海軍艦艇・日本自衛艦用」PE-28
をそれぞれ使用。

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