1トンハーフトラック（Sd.Kfz.10）製作記
　　Making of 1ton half-track Sd.Kfz.10

使用キット：英Milicast社・1/76レジンキット
製作仕様：バルバロッサ作戦時
参考文献：デルタ出版「グランドパワー7月号別冊　ドイツ軍用車輛写真集（２）」

０．はじめに

　製作したキットは、英Milicast社の1/76レジンキットで、ニフティ模型フォーラムのメンバーから譲っていただいたものです。しかしこのキット、下写真を見てもわかるように、車体、前輪、履帯、ハンドル、窓枠の７点しかないアッサリした（しすぎた）代物。しかもアクセル、ブレーキなどの足回りの部分が壁になっていて全く表現されていません。シフトレバーもなし。まさに『ガレキ』そのものでした。

１．パーツの修正

　キットのディテールは大ぶりであいまいなため、各所に手を入れてディテールを出来るだけシャープにしてやります。
　例えばタイヤ。裏面に全くモールドがなくのっぺりしていますので（左写真の上右）、それらしく同心円をけがきホイール表現をします（左写真の上左）。履帯は、モールドそのものは秀逸なのですが、惜しい事にホイールとホイールの間が抜けていません（左写真の中）。そのため、各ホイールの間、ホイールと履帯の間に間隙をくり貫いてやります（左写真の下）。

　さらに、車体フェンダーが厚すぎますので、エッジを薄く削ってやります（右写真）。こうすると多少はシャープ感が出るでしょう。

２．ディテールアップ

　アクセル、ブレーキ、シフトレバー等の操作部の表現が全くなされていませんので、ここを追加作業します。
　まずこの足回り部分は、キットではダッシュボードの下から絶壁になっていますので、ここを削って足回りらしくくり貫いてやります。これがけっこう難作業で、ダッシュボードが前にせり出していますから、カッターの刃がうまく奥側に入ってくれません。ダッシュボードのパネルや座席のモールドを損なわないように注意して、慎重に削っていきます。まるで掘っていくような感じです。
　それらしく掘れたら紙やすりで念入りに整形し、プラ板でアクセルとブレーキ板を作って接着します。またシフトレバーは、0.2mmφ真鍮線と0.5mmφプラ棒でそれらしく作って接着します。それ以外に、方向指示器とバックミラーなども車体側面につけてやると、ディテールアップらしくなるでしょう。

　車体後部の幌ですが、私は下写真のようにティッシュペーパーをそれらしく見えるように折り畳んで作ってみました。幌のホネ組みの部分は真鍮線にしてあります。また車体後部の床面には、ファインモールドから製品化されている滑り止め表現されたエッチング板を張りつけてみました。

３．組み立て完了

　製作中に左後フェンダーを破損してしまったので、プラ板で作り換え。また、ノテックライトをジャンクパーツから拾ってきたり、ナンバープレートをプラ板から切り出して取りつけました。おおまかなディテールアップポイントは以上のとおりです。
　私がこれを作った時は、デルタ出版「グランドパワー7月号別冊　ドイツ軍用車輛写真集（２）」の110〜111ページにある３枚の写真だけを参考にしました。しかし完成後、同じデルタ出版の「グランドパワー11月号別冊　SdKfz250」の中に、20ページ以上にわたってSdKfz10が特集され、しかもカラー写真まであることを発見。この本を先に見てれば・・・、と少し慌てたものです。

　まあ、あのどうしようもないキット（失礼＞譲っていただいたNさん(^^;)）を、なんとかここまで見れるようにしました。

４．37mmPakを牽引しましょう。

　英MMS社から1/76の37mmPakが出ていますので、これをSdKfz10に牽引させましょう。SdKfz10の牽引機構を、プラ板と真鍮線で自作してみました。

　塗装は、以下の手順で行いました。

１）車体全体をサフェーサー吹き。
２）グンゼクレオスの『ジャーマングレー40』でエアブラシ。ジャーマングレーはグラデーションを出すために、明度を３種類ほど違えて順次重ね塗装。
３）シフトレバー、ハンドル、座席など室内のこまかいパーツを筆塗り。
４）全体を軽くグンゼクレオスの『ダークアース22』でエアブラシして、汚れを表現。
５）足回りを中心に全体をタミヤエナメルの『デザートアース』でドライブラシ。
６）足回りを中心に全体をパステルでドライブラシ。
７）グンゼクレオスのつや消しを軽く全体にエアブラシ。

　ということで、ようやく完成させました。完成した１トンハーフトラック（SdKfz10）と37mmPakは、下↓のボタンをクリックすれば見れます。

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